平成29年度 第96回 全国高校サッカー選手権大会 埼玉県大会 総評

報告者:高体連技術部員 栄北高校 武田直樹

「昌平 3年ぶり2度目の全国選手権出場 今季4冠目」

 平成29年度第96回全国高等学校サッカー選手権大会埼玉県大会が8月20日から11月19日にかけて開催された。(一次予選8月20日~8月27日、二次予選トーナメント10月14日~11月19日)二次予選トーナメントは、埼玉県リーグ参加校25チームと一次予選を突破した27を合わせた52チームによるトーナメント方式で行われ、優勝は昌平高校、準優勝は浦和西高校、3位は武南高校・浦和東高校という結果に終わった。優勝した昌平高校は3年ぶり2度目の優勝で、全国大会への出場を手にした。

 優勝した昌平は、新人大会、関東大会予選、高校総体予選に続く県内4冠を達成し、その実力をいかんなく発揮した大会であった。優秀選手も7人(18人中)選出されたように、個々の技術・戦術がどの選手も高く、攻撃ではドリブル・ショートパスを使い分け、ボールを中心に複数の選手が関わり、ボールを失っても味方との距離が近く、攻撃から守備への切り替えも早いためすぐに奪い返し再び攻撃する攻守一体のサッカーを体現した。自陣深い位置からは、ボールを動かしながら相手の隙を狙いロングカウンターや、隙を作り出すために幅や深さ・緩急を使い分けてビルドアップする意図が見られた。また、ボール保持者が複数の選択肢をもち、ゴールを奪うために判断してプレーし、複数の相手選手に囲まれてプレッシャーを受けても慌てずに落ち着いてプレーする場面が多々見られた。ボール保持者だけでなく、オフの選手一人一人がポジションや、状況を判断し、隙なくプレーし、結果として11人が連動し試合を進めていた。3回戦から出場の4試合で12得点2失点。準決勝までの3試合は常に主導権を握りゲームを進めていた。決勝戦では、浦和西のプレスと球際の力強い守備、高さや個人技、スピードをいかした攻撃に苦戦を強いられたものの、慌てず最後まで粘り強く戦い勝利を手にし、精神的タフさも感じられた。準優勝した浦和西は、チーム全体の運動量があり、守備意識が非常に高く、先取点を奪われても一試合を通して落ち着いたプレーを継続する精神的タフさや、強さが感じられた。空中戦と地上戦を使い分け、チームの特徴を生かした試合運びを展開した。シンプルにFWの選手や前線へボールを供給し、高さ勝負やDFラインを下げさせて、中盤・サイドにできたスペースへドリブル・パスで攻撃を仕掛けた。3位の武南は、個々の能力が高くサイド攻撃を軸に試合を展開し、攻撃から守備への切り替えを早くし、球際も強く、粘り強く最後まであきらめない姿勢や、体を張ってゴールを守る精神的タフさがあった。同じく3位の浦和東は、献身的な守備を基本に、ピッチを広く使い、相手の状況を考えてチェンジサイドや同サイド、高さ勝負・セカンドボール狙いなどの意図があった。主力選手の負傷もあり選手の配置換えや、勝負所を考えた選手起用で勝機を作り出した。

 大会を通して見てみると、守備意識を高め、攻守の切り替え、特に攻撃から守備への切り替えを早くし、球際に強いチームが勝ち上がっている。相手チームとの力加減もあるが、堅守速攻型・機を見て前線から圧力をかけショートカウンターでゴールを狙うチームが上位へ進出している。相手に時間とスペースを与えないようにチーム全体で守備意識を高め、プレスをかけるチームが多くなり、ボールホルダーに積極的にプレッシャーをかけボールを奪う。奪えなくても、相手の攻撃の選択肢を少なくし後方守備陣に優位になるような場面を作り出しボールを奪う。逆に、攻撃面では時間とスペースがない中でのプレーになり、そのような状況を打開する場面は少なかった。プレーの正確性や創造性が求められる。個々の技術・戦術を今以上に高めることを期待したい。観る・判断する・止める・蹴るといった基本を正確に早くという点においては物足りなさを感じた。ミドルサードエリアでも簡単にボールを失ってしまう場面や、前線の味方へ安易にパスを供給してしまう場面が見られた。特にプレッシャーがある中でのプレーの質の向上を期待する。駆け引きという点では、相手の一瞬の隙をつくロングカウンターやパスやドリブルでの仕掛けの使い分けをし、相手守備陣に的を絞らせにくくしたり、相手守備者の意図の逆を突いたりという場面は、決勝まで勝ち上がった、昌平・浦和西が他のチームよりも優っていた。また、シュートの質の向上に期待したい。PA内やシュートレンジまでボールを運びシュートを放っても、簡単にディフェンスにブロックされたり、ゴールマウスを捉えられなかったりと改善できる場面が多く見られた、サッカーの一番の醍醐味であるゴールを奪う最終局面であるシュートの精度を高めてほしい。キックの種類や質、タイミング、GKやDFとの駆け引きなど・・・。日々のトレーニングから意識し、無意識の中でもプレーできるレベルまで高めて欲しい。ゴールを奪うために。
 最後に、昌平高校には限られた時間の中、技術だけでなく精神面や体調管理など良い準備をし、更なる個々のレベルを上げ、全国の舞台での活躍を期待し結びとする。


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